デザイン事務所アトリエセツナの日々を綴るブログです。

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ミーティングテーブル




窓からの緑が美しいオフィスに、ミーティングテーブルをお届けしてきました。 ずっとやってみたかった、ぽってりとした厚みのあるふくよかな甲板。

70mmのエッジは触っていて気持ちいいです。
狙いどおりの浮遊感がでました。
よき商談の場になりますようにと祈願。
長いカウンター


仙台市某所のオフィスに8.5mの長いカウンターを取り付けできました。

建物の壁や床は、目に見えているほど平行・垂直ではなく、根気よく完璧を求めて地軸に平行垂直に取り付けます。

この達成感がたまりません。

アジリノ




アトリエセツナでインテリアデザインのお手伝いをさせていただいている、米沢のリノベーションプロジェクト「アジリノ」が始動しました。 モデルハウスでは、モールテックス製のキッチンやダイニングセットなど、素材感豊かなプロダクトがご覧いただけます。 始動早々、複数のプロジェクトが動き始めました。 楽しくなりそうです。

アジリノ


http://www.ajireno.com/
プレス掲載/エル・デコ


3月7日発売のELLE DECOR/エル・デコに、アトリエセツナの家具を掲載いただきました。

世界の名だたるデザイナーの作品に混じっての記事、なんだか恐縮です。

書店やコンビニで見かけたら、お手にとって是非82ページをご覧ください。
LiVES/リノベーションのすべて
ご無沙汰しております。
ここ最近のアトリエセツナといえば、ありがたいことに全国多方面のお客様からのご依頼により、忙しい日々を送っています。
小さなデザイン事務所を信頼し、ご依頼くださること、とても有難く思っております。

さて、本日のお題です。
住宅とインテリアの雑誌LiVESにて、当アトリエが設計した東池袋のカフェKAKULULUが特集されています。



情熱をもって取り組んだ仕事を、全国出版の雑誌に取り上げていただき、光栄です。

http://www.livesjapan.com/latestissue/

お近くの書店で見かけたら、是非お手にとってご覧ください。
on off.
こんにちは。
今日は、アトリエセツナの昼と夜について書いてみたいと思います。

まずは仕事について。
最近、カップボードのご依頼が多く、多様なご要望に応じて設計しています。



このカップボードは、クルミの仕様です。
壁面に貼られたタイルとの相性がとてもいいですね。



引手にはウォールナットを使いました。
甘くなりがちな、木製の箱物家具の雰囲気がピリッと引き締まります。

カップボードは、キッチン収納の要。
扉や引出しの大きさや配置バランスは奥深く、お客様の要望によって無限の組み合わせがありそうです。


夜は、後輩で弟のような存在のトオルのお店four O'clickで開催されたライブにいってきました。

Junnosさんというアーティストで、家族を連れてキャンピングカーで旅をしながら各地でライブを行っている方です。



歌詞に綴られた日常の様々な断片が、巧みに構成されたメロディに乗って、とても活き活きと届いてきました。
娘さんとのコラボレーションもあり、会場は沸いていました。父と娘の美しい関係。見つめ合いながら一音ずつ紡ぎ出す姿にウルッときました。

仕事もうまくいったし、いい音楽のお陰で、いい一日になりました。

皆さんも、よい週末を。

東池袋 三角ビル リノベーションプロジェクト/KAKULULU 其一
こんにちは。
ゴールデンウィーク最終日、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、先日も書いた、池袋のカフェKAKULULUについて、内装をメインに、写真たっぷりでご覧いただこうと思います。
三角ビルは、その名の通りY字路の角に建っており、決して広いとはいえない建築面積です。
しかし、地上四階・地下一階そして屋上という階層を持つため、各階の印象をコントロールしながら空間体験を演出することができると考えました。
この記事では、主に二階の雰囲気を見ていただきます。

 
狭小建築らしからぬ配席計画。座席間をゆったりと。
12席中、6席がソファです。
家具もすべて、アトリエセツナのオリジナルプロダクトで構成しました。
 

 
家具の素材は床と同材のホワイトオークで統一。
黒皮のスチールと合わせて、生っぽい素材感を狙いました。
[Taro sofa]の2シーターと1シーターでまとめました。
金属加工は毎度お馴染みのOILSTONE Garageの菅野透くんです。
今回も完璧な仕事でした。
ありがとう。
 

 
2シーターのソファには[NULTO low table]をあわせました。
 
ダイニングチェアはお馴染みの[fai chair]です。
このプロジェクトのために細かなディテールを再設計し、最終形態になりました。
 
本棚の下段とテーブルの天板の高さを揃えて設計。
家具同士のクリーンな繋がりを意識しました。
 
ペンダント照明はオーナーのセレクトで神戸のFlameさんのプロダクトを。
真鍮っていいですよね。
 

 

 

 
生のスチールとオークを合わせた本棚には、オーナーのブックコレクションがぎっしりと。
自由に手にとって読めるとのことなので、これかの季節、コーヒーを飲みながらいい時間が過ごせそうですね。
 
店内のグリーンは千駄木の平澤剛生花店さんが担当してくれました。
植物に対する真摯な態度。とても気持ちのよいお仕事をされる方です。
 
一番奥には壁を開口して作ったスリット状のFIX窓があります。
三角ビルのシンボルツリーが顔を覗かせます。
気持ちのよい籠もり感。苦労して分厚いコンクリートの壁をくり抜いただけの価値が十分にありました。
 
[TARO sofa x NULTO low table]
小窓から差し込む光が柔らかで気持ちのよい席です。
 
二階のRC壁はすべて、オーナーと友人のボランティアの皆さんによって、自然塗料で塗装されました。しかし、全面白では空間が甘くなり過ぎるということから、新規で作ったトイレの外側の壁には、山形の柏倉材木店さんでの倉庫で眠っていた古い材木を陸送して貼ることにしました。
このビルの地下に宿る歴史が二階まで突き抜けて可視化されたようなイメージで設計しました。
風化しかかった煤けた古材は、オイルフィニッシュによって固有の色を取り戻し、きちんと製材して貼り込むことで、クリーンな味わいを得ました。
このプロジェクトの施工を取り仕切ってくれたcoconaの佐藤誠さんは、樹種固有の色味を厳選しながら、二日がかりでこの壁を貼ってくれたそうです。
誠さんの細やかな目線によって、建物全体が家具レベルのクオリティで施工されました。
月に数日しか現場に行けない僕に代わって現場のすべてを掌握し、高水準な施工を行ってくれた誠さん無くして、このプロジェクトは語れません。
 

 
階段室に設えたサインはFARVEの永易直樹さんによるもの。
永易さんはKAKULULUのロゴマークや、ショップカード、メニューなどの紙媒体、ホームページなどをトータルでデザイン担当してくれました。
思慮深く、サプライズを含んだプレゼンテーション、通称「直樹マジック」は毎回現場を沸かせてくれました。永易さんとの出会いはこのプロジェクト中の大きな収穫で、これからも一緒に仕事をしていきたいと思えるデザイナーとの出会いでした。
引きあわせてくれた、オーナーの悠君に感謝です。
 
「パリを思わせる」という感想が出るほどの、狭くて少し急な階段室。
この階段によって各階は繋がれ、印象の異なる空間体験の入り口となります。
茶室でいうところの「にじり口」のような、狭い入り口を通って違う世界に入っていくような感覚です。
 
トイレの壁は漆喰系の金ゴテ仕上げを施しました。
この建物の新規の壁はすべて左官仕上げです。微妙なコテ跡の残し加減は僕がお願いしたとおり。
左官職人の竹中さん、いい仕事ありがとうございました。
 
防水の劣化が著しかった屋上は、防水し直してデッキ貼りに。
防水塗装もボランティアの皆さんで行われました。
溶融亜鉛メッキを施したフェンスもOILSTONE Garageによるものです。
この屋上では、ヨガ教室や貸し切りバーベキュープランなどを行う予定とのこと。
ビル一棟のまるごとリノベーションだからできる、ワクワクする要素です。
 
5月1日のグランドオープンから数日。
建物が「現場」から「店」に変わりました。
人が働き、言葉を交わし、時間を共有する空間です。
 
これからこの空間で、たくさんのお客様が過ごすであろう様々な時間に思いを馳せることが最近の楽しみです。
次回は、今回の記事では紹介していない、一階や外観、地下のギャラリースペースについて書きたいと思います。まだまだ紹介したい様々な表情が、このビルにはたくさんあります。
設計者としてではなくお客さんとしてこのお店を訪ね、素晴らしい料理やワイン、コーヒーについてもレポートできたらと思っています。
僕がデザイナーとして今できるすべてを注いで設計したこの空間。
近くまで行かれる機会があったら、是非お店を覗いてみてください。
若くて情熱的なオーナーが、僕がここに書ききれなかったことをたくさん話してくれると思います。
 
Music cafe & Gallery 
KAKULULU
 
東京都豊島区東池袋4-29-6
http://kakululu.com/

photo by : アトリエセツナ

 
KAKULULU
こんにちは。
春が日本列島を北上し、青森まで桜が行き渡ったようですね。

さて、今日はアトリエセツナが空間や家具を設計させていただいた東池袋のカフェ【KAKULULU】のお話を少し書こうと思います。

昨年の12月の投稿で少しだけ触れましたが、築40年以上の古いビルを丸ごと一棟リノベーションするというプロジェクトです。
初めて現場を見たのが昨年の7月下旬。
経年劣化で使用が困難になった給排水や電気、ガスなどのライフラインの整備から始めるという、ビルの壮大な蘇生作業からの始まりでした。
建物としての安全性、新たに「場」として使っていくための下地作りだけでも数ヶ月を使いました。
解体の一期工事、環境整備の二期工事を経て、創造の段である三期工事が始まったのが11月から。
一筋縄ではいかない手強い建物との半年近くの格闘を経て、ようやく明日、このカフェはオープンします。

リノベーションの詳細はオーナーが綴ったこちらのブログをご覧下さい。

The Revolution Will Not Be Televised


昨日はオープニングパーティがあり、自分が設計した空間でスタッフの皆さんが活き活きと仕事する姿をただ眺めていました。









今、この記事は山形へ戻る新幹線の中で綴っています。
先ほどまで、お店のスタッフの皆さんが明日のオープン準備のミーティングの場にいました。
一年越しのリノベーションは、明日から始まる日々のためにありました。



店内には静かな緊張と期待が入り混じった空気が流れていました。

設計・施工サイドから、店を運営する人たちへとバトンは手渡されました。
今は、訪れるお客さんが味わうであろう幸福な時間を、ただ祈っています。

オーナーである高橋悠さんが選び抜いた食器やカトラリー、店内に流れる抜群にセンスの良いセレクトの音楽、フードコーディネーターでシェフの永易久美子さんが作る料理、提供されるワインやビール、コーヒーも妥協なくセレクトされています。

アトリエセツナとKAKULULUの皆さんで作った空間を、是非ともこのブログを読んで下さっている方々に味わっていただきたいです。



KAKULULU

東京都豊島区東池袋4-29-6
http://kakululu.com

モノツクリゲキジョウ。


今期で最もプレッシャーのかかるプレゼンを終え、OILSTONE GarageでMTG。
相変わらずの素晴らしい仕事ぶりでした。
来月のミッドタウンで行われるイベント/復興デザインマルシェに出品する椅子の細部の作り込みをライブでしてくれました。
ありがとう、透くん。

復興デザインマルシェ
http://www.jidp.or.jp/marche2014/

OILSTONE Garage
http://oilstone-garage.blogspot.jp
ミスター・ハードボイルド。
僕の心の師匠である、梅香堂の堂主、後々田先生が亡くなった。


ミスター・ハードボイルド。

後々田 寿徳

享年 五十一歳

後々田 寿徳

先生が山形から離れてからは連絡先も分からず疎遠になってしまっていたが、偶然が重なり、大阪でギャラリーをされている事を知った。

それを知るとすぐ、僕は梅香堂へ電話をかけた。

先生は僕の声を覚えてくれており、お互いの間にあった空白の時間はすぐに埋まった。

梅香堂でアトリエセツナの展覧会をさせて欲しいとお願いすると

「うちなんかでやってどうする。客なんて来ないぞ」

となかなか許してくれなかった。

僕は、たくさんの縁が重なってまた先生と繋がれたこと、初めての展覧会を先生のギャラリーで開催できたらどれだけ素晴らしいかを説き、渋々と了解してくれた

「じゃあ、金はいらん」


それから一ヶ月して、僕は大阪へ向かった。先生に会うために。

気がはやり、約束の三十分も前に梅香堂に着いてしまった僕を、先生はすでに待っていてくれた。休堂中の梅香堂で。

室内に小さな明かりが灯っており、先生がそこにいるのがわかった。

顔をくしゃくしゃにして出迎えてくれた先生は、昔と変わらずハードボイルドだった。ただ、タバコは辞めていた。

「元気でやっているか」

先生はすべての若者に対しての第一声を、この言葉から始める。


奥さんの出産を控え、本当に今にも産まれて来そうなのに、先生は時間を作って梅香の街を案内してくれた。昔のようにブラブラと、ゆっくりした足取りで。

「カミさんには、渡辺君の携帯電話の番号を教えてある。俺は連絡手段を持っていないから」


先生は、地域に移り住み、アートを展開する若者たちのアトリエを案内してくれた。

「ここに住み着いた皆はフラフラとしていて、頼りがいのない連中だ。そして俺はもっと頼りがいのない人間だ」

先生はハードボイルドに、愛情いっぱいに話した。


若者たちに僕を紹介する先生は、ほんの少し自慢気だった。

「今度梅香堂で展覧会をする、教え子の渡辺君だ。家具のデザイナーをしている。遥々大阪まで来てくれた」

そして、会う若者皆に「元気でやっているか」と始める。

先生は若者の話に笑い、静かにうなずき、そして心を痛めていた。

僕の先生は、地域の若者の先生だった。


かつて大酒飲みだった先生は、ゆっくりと酒を飲んだ。

僕は目を潤ませながら、やっとまた会えた喜びを話し、たくさんの葛藤の話をした。先生は僕のすべてを肯定してくれた。

「どれも間違いじゃない」


勘定の時「大人になった教え子にどうか払わせてください」と頼んだが受け入れてくれなかった。師は遥々やってきた教え子に勘定を払わせる訳はないのに、何て事を言ってしまったんだろうと、今更ながら思う。師匠に自分を誇示してしまった自分が情けない。

結局、この小さな焼鳥屋での夜が、先生との別れになってしまった。


つい二週間ほど前に、先生と梅香堂での展覧会についてのメールのやりとりをしたばかりだった。

「元気にやっているようだな。山形は雪だろうなあ。寒くなったので体に気をつけて」


体に気をつけるのは先生ですよ。

まだ、たくさん教えてもらいたかった。

初めての展覧会を先生のギャラリーで開きたかった。

僕の作品を間近で見て欲しかった。

自分のこれまでを肯定してもらいたかった。

「どれも間違いじゃない」と。


先生が推薦状を書いてくれたお陰で、僕はスウェーデンに留学できました。

とても立派な分厚い紙に、自分には勿体無いほどの言葉を並べてもらいました。

先生がいなければ今の僕は本当に無いんです。


男の立ち振舞を見せてくれました。

ハードボイルドな生き様を示してくれました。

「自分ほど最低な人間はいない」と先生は真顔で言っていたけど、誰もそんなこと信じてはいませんよ。

先生の志を受け継いで、きっと梅香の若者達が街を変えていくでしょう。

何もない寂れた船着場の街に先生が辿り着いた、あの時の気持ちで。